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地域に戻り自分の看護を
形にできた場所Rikaさん 山形県出身

庄内生まれの私は、秋田で学び、山形大学医学部附属病院で働いた後、母の実家がある鮭川へ戻り、訪問看護の道を選びました。現在は「鮭川訪問看護ステーション ともり」で社長兼訪問看護師として働いています。
医療資源の少ない最上地域だからこそ、退院後の暮らしまで支える看護の必要性を強く感じてきました。同じ病棟で働いていた仲間を誘い、一緒に立ち上げた小さなステーションは、看護師7名・理学療法士1名・事務1名のあたたかいチームに育っています。
病棟勤務では見えなかった「その人の生活そのもの」に寄り添えることが、私の看護が形になったと感じる理由です。これからも地域の文化や暮らしの感覚を大切にしながら、看護を続けていきたいと思っています。

私は社長という立場でも、毎日訪問に出る“プレイヤー”であり続けています。午前と午後にそれぞれ3〜4件まわり、移動の合間に書類や数字を確認するのが1日の流れです。事務作業を支えてくれるスタッフのおかげで、現場に集中できています。
小さなステーションだからこそ大切にしているのが、情報共有の徹底。訪問の様子を細かくグループチャットで共有し、誰が行っても同じケアができるよう心がけています。
看護は“役割”ではなく“人と人”。治療と本人の願い、その両方を尊重しながら、最善の折り合いを一緒に探す姿勢を大切にしています。忙しさの中でも、利用者さんの「その人らしさ」を見失わないよう意識し続けています。

最上地域で働いて実感するのは、人との距離の近さです。訪問のときだけでなく、野菜をいただいたり、家族のように関係が続いたり——都会では得られない温かさがあります。
スタッフも地元だけでなく、山形市や東根、村山、さらには移住してきた人まで多様で、自然を楽しみながら働ける暮らしに魅力を感じています。
病床縮小が進む中、最期を迎える場所の選択肢は少なくなっています。訪問看護での看取りを増やすこと、そして将来的にはホスピスのような“最期の居場所”を地域に作ることが、私の次の目標です。地域の未来を見据えた看護のかたちを、自分たちの手で育てていきたいと思っています。