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看護の業務改善 in 山形

平成25年度より、日本看護協会と協働し「働き続けられる職場づくり」を目指し、ワーク・ライフ・バランス推進ワークショップ事業に取り組んできました。昨年度、最後の取り組み施設が3年目を迎えたのを機にワークショップ事業を終了し、日本看護協会で取り組んでいる「看護業務の効率化先進事例アワード」を「看護の業務改善 in 山形」とし、山形県においても開催します。

「看護業務の効率化先進事例アワード」とは
看護業務の効率化において優れた効果・成果を上げている事例や、それにより医療・看護ケアサービスの充実を実現した事例を募集・周知し、看護業務の効率化に向けた取り組みを推進することで、看護職がより専門性を発揮できる働き方の推進や生産性の向上、看護サービスの質の向上を図ることを目的としております。
日本看護協会ホームページ「看護業務の効率化先進事例アワード」
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/work_efficiency/award/index.html

参加者募集について

終了しました。

1.目的

各施設で取り組んでいる業務改善や、看護の質向上・働きやすい職場づくりへの取り組み等の事例等を募集し共有・活用することで、県内の職場環境改善の推進を目指す

2.主催

公益社団法人山形県看護協会 勤務環境改善推進委員会

3.開催期日

令和4年12月3日(土) 13:00~16:00
Zoom(Web会議システム)によるオンライン開催

受賞事例一覧

★「goodコミュニケーション賞」★

【業務改善部門】地域包括ケア病棟における受け持ち看護師の役割意識の変化 -転入後1週間の電話面談を導入して-

米沢市立病院 藤倉 恭子 氏

地域包括ケア病棟における受け持ち看護師の役割意識の変化-転入後1週間の電話面談を導入して-

【業務改善部門】地域包括ケア病棟における受け持ち看護師の役割意識の変化 -転入後1週間の電話面談を導入して-

審査員コメント

渡邉 ひろみ(山形県看護協会 勤務環境改善推進委員長)

新型コロナウイルス感染症防止対策のために、面会ができない状態がつついている中で、看護師もご家族とコミュニケーションをとることが困難となり、信頼関係を構築することも大変な状況にあります。その対策として入院早期に電話を通した面談方法の構築に取り組み、長い期間評価をしながら業務定着されたことは素晴らしいことと思います。
この取り組みが結果的にご家族の安心につながったことは大きな成果といえます。
goodなコミュニケーションといえると考えこの賞としました。

★「多職種で連携賞」★

【タスクシフト・多職種連携部門】臨床工学士との協働による内視鏡看護の充実

米沢市立病院 船山 ヒロ子 氏

臨床工学士との協働による内視鏡看護の充実

【タスクシフト・多職種連携部門】臨床工学士との協働による内視鏡看護の充実

審査員コメント

松田 真理子(山形県健康福祉部医療政策課 地域医療連携室)

今回の事例は、医師・看護師・臨床工学技士の専門性を活かしあえる取り組みです。成果として、検査や治療をスムーズに行うことができており、患者さんの利益へ繋がっています。これまで看護師が行っていた機器の設定やセッティング、メンテナンス等を臨床工学技士に分担し、さらにスタッフ間の役割を共有することでお互いのコミュニケーションが取れ、本来の看護師の役割ができるようになった好事例だと思います。
現代の医療はどの職種も専門性が高くなっており、質の高い対応が求められています。看護師は患者さんとかかわることが最も多い職種で、人数も職員の大半を占めるため、何かと頼りにされることが多いのが現状です。
業務分担やマニュアル作成には大変な労力が必要ですが、完成後は大きな強みになるはずです。今後も様々な職種が連携して協力しあい、それぞれの専門性を活かしあえる職場環境になることを願っております。

★「スクラムがっちりで看護業務のタスク・シフト賞」★

【タスクシフト・多職種連携部門】夜間看護補助者導入による看護師業務の軽減に向けた取り組み

寒河江市立病院 尾形 和美 氏

夜間看護補助者導入による看護師業務の軽減に向けた取り組み

【タスクシフト・多職種連携部門】夜間看護補助者導入による看護師業務の軽減に向けた取り組み

審査員コメント

若月 裕子(山形県看護協会 会長)

80歳以上の高齢患者が75%を占める病棟において、緊急入院、手術患者の帰室で煩雑する17時以降の夜間帯の看護業務において、安全な業務推進に向けた取り組みは、理念である地域住民に信頼される病院づくりに貢献できると高く評価しました。
「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のあり方に関するガイドライン」に基づき、看護師長、看護補助者サポートメンバー、チーム会、看護スタッフ、看護補助者がそれぞれの役割を認識し、一丸となって行動されたことが、タイムリーな看護業務の提供や看護師の時間外減少、そして安全・安心な看護ケアの提供、健全経営の実現をもたらしたと感じました。
看護師より助かる、負担軽減を実感した、看護業務に専念できるという満足度の高い評価を得て看護師と看護補助者の連携強化がうかがえる報告でした。
さらに、タイムテーブルに沿って次の課題が見えており、今後の業務改善にますます期待できる内容でした。

★「病院一丸!朝の会が信頼関係をもたらしたで賞」★

【タスクシフト・多職種連携部門】事務部門へのタスク・シフト/シェア ~多職種連携のベースとなる「朝の会」の取り組み~

順仁堂遊佐病院 信夫 松子 氏

事務部門へのタスク・シフト/シェア ~多職種連携のベースとなる「朝の会」の取り組み~

【タスクシフト・多職種連携部門】事務部門へのタスク・シフト/シェア ~多職種連携のベースとなる「朝の会」の取り組み~

審査員コメント

平山 達也(山形県社会保険労務士会)

2020年からの3年弱で本当に内容の濃い取り組みをされたんだなと感じました。
そして、今回、このような改革が前進したのも経営会議で病院長より組織改革方針が提示されたことで、トップからの強いメッセージが全体に浸透し、さらにそれを受けて、職員の方々が前向きに改革に取り組んでいったことが大きな原動力になったのだと思います。
組織改革のような、組織全体に関連する方針の提示はトップダウン、その方針を具体的に実行するためのアイディアを出す場合はボトムアップで行なうことで、意思決定の迅速さと、現場から多様なアイディアが生まれ組織が活性化するという双方のメリットを生かし、逆に双方のデメリットを補完するようなやり方をされているのは、流石だなと感じました。
また、取り組みの背景と目的にぶれがなかったことも、今回の成果・効果に結びついた要因の一つではないかなとも感じました。
そして、私が特に素晴らしいと思ったのが、部門の責任者が、毎朝一堂に会し朝の会を実施し、そこに参加される職員の人間関係を深めてから、取り組みにかかったことです。
この朝の会が、仮に週1回だけだったらここまでの成果はなかったのではないでしょうか。
週1回で35分会うよりも、毎日5分会っているほうが人間関係は深まっていくと思いますし、コミュニケーションは量が大事と言われています。
その中で、最初はあいさつ程度の会話が、回数が増えれば増えるほど、今度は会話の中身も自然と濃いものになっていくことで、質も高まっていったのだと思います。
改革というと、これまでのやり方を根本的にガラッと変えるというイメージがありますが、それだけが改革ではなく、取り組めるところから改善していく、小さな成功体験を積み重ねていくことで結果的に組織全体としての改革に繋がっていくのだと思います。
これからも様々な取り組みを継続していこうという構想もお持ちのようですので、病院一丸となって、こうした小さな成功体験を、これからもどんどん積み重ねていってほしいと思います。

★「小さなパワーから、やがて大きな成果へ向かうで賞」★

【その他部門】施設間の連携におけるマンパワーの確保

最上町立最上病院 岡野 恵美子 氏

施設間の連携におけるマンパワーの確保

【その他部門】施設間の連携におけるマンパワーの確保

審査員コメント

菅井 恵美子(日本医業経営コンサルタント協会山形支部)

チームという小さな組織が病院を動かしています。
現場における臨機応変の対応が必要で、個人プレーでなくチームプレーが必要です。
既に、最上町立最上病院さんは同じ場所へ健康センター、各介護施設を併設されていてとても効率的で協力的な環境が整備されており、将来の人口減少、高齢化の中において不安が和らいでいると感じています。
今回の取組は初年度1名からの開始でしたが、この成果を最大限にアピールしてぜひ今後へ繋いでいただきたいと思いました。
先日、日本医業経営コンサルタント協会の全国大会(研修)での講演で「スタッフのモチベーション向上させる仕組み」とういう内容を東京ディズニーランド創業時の運営者から、ゲスト(お客様)をハッピーにさせるにはキャスト(スタッフ)もハッピーにならなければ伝わらないとありました。病院においてもスタッフが働きやすいと感じることも重要と思います。そして生き生きとして働いている姿も元気になれるパワーを出せると思います。
今回の取り組みにおいては、参加した看護師さんのスキルアップ、満足度、他のスタッフへの様々な好効果もいくつか挙げられていて期待値も大きいと感じました。
今後も継続的に医療の質向上にため頑張ってください。

調査報告

2022年度 看護職員の勤務環境に関する調査結果報告

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